20210125アプトの道隧道

首都圏一都三県に緊急事態宣言が再発令されて、2週間以上が経過しました。
緊急事態宣言の効果がそろそろ表れてくることを期待する向きもあるようです。


「東京の新規感染者(陽性者)が○○日連続1000人超」などと連日報道されていますが、これは保健所から発生届けが提出された日(報告日)で集計したものです。
20210125報告日別新規陽性者数

上のグラフは東京都の報告日別新規陽性者数の推移ですが、1月7日の2,447人をピークに、そこから新規陽性者数は緩やかに減少しているようにみえます。


ニュース性を重視し報告日別の新規陽性者数ばかりが報道されますが、感染症の感染状況を知るには報告日よりも発症日が重要となります。
東京都の発症日別新規陽性者数の推移が下のグラフです。

20210125発症日別新規陽性者数

新型コロナには潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が1週間前後あるため、1週間前までの数値はあまり意味をなしません。
しかし、1週間以前のデータはほぼ確定値であり、信頼が置けるもの。
そう考えてグラフを見ると、1月4日の1,449人をピークにして明らかに新規陽性者数は減少傾向にあります。
つまり、緊急事態宣言の再発令(1/8)前に東京でのコロナはピークアウトしている可能性が高いということです。


東京での緊急事態宣言は2度目ですが、最初のそれの頃の感染状況はこのようなものでした。
20200519実効再生産数等

1回目のときも、感染がピークアウトしてから緊急事態宣言が発令されていました。
またしても同じ轍を踏んだと言われても仕方ないでしょう。
前回の緊急事態宣言の効果等をしっかり検証しなかったことが原因なのでしょうか・・・



追記
報告日別と発症日別のピーク人数が大きく違う(2,447人と1,449人)のは、発症日別では無症状者等を除いているからです。