20221207錦鯉

農林水産物の輸出拡大に向け政府が指定する「重点品目」に、新たに「錦鯉」が追加されました。
「錦鯉」は日本文化の象徴として中国や欧米を中心に人気が高く、さらなる輸出拡大を図りたい考え。
これまで牛肉やブドウ、日本酒など、海外での評価が高く日本の強みがある28品目が指定されていましたが、そこへ「錦鯉」を新たに加えると輸出重点品目は29品目となります。

20221207泳ぐ宝石錦鯉


錦鯉の発祥の地は、新潟県中央部に位置する小千谷市、長岡市。
かつての二十村郷が錦鯉の産地となった歴史にはとても興味深いものがあります。
この辺りは起伏の多い山間部で、集落は各地に点在しており、山頂まで棚田が続いていたそう。
四季を通じて激しい肉体労働を要求されますが、海から遠いこの地において鮮魚は手に入りにくく、それゆえタンパク源を欲していました。
そこで棚田に点在したため池に食用の真鯉を飼い始めたのですが、後に色鮮やかな突然変異した鯉が誕生し、その変種を観賞魚として養殖したのが今日の錦鯉のルーツと言われています。

20221207二十村郷の棚田


錦鯉と聞くと、お金持ちの日本庭園の池で優雅に泳いでおり、「ポンポン」と手を叩くと寄ってくる姿をイメージしませんか。
実際に高額な錦鯉は存在しており、過去のオークションでは1匹2億300万円で落札されたことも。
いくら姿形が美しくとも、錦鯉も生き物ですからいつの日かお別れが来ます。
(錦鯉の寿命は25~35年といわれますが、100年を超える場合もあるそう)
宝石とか金塊ではなく、いずれ消えゆく泳ぐ宝石に大金を払えるのは、よほどのお金持ちか粋人なのでしょう。
そしてそのような人は国内ではなく海外に多いのでしょうね・・・